はじめてのアフリカ
「これがアフリカ」
前から車が突っこんできた時に思った。アフリカに来て2回目の交通事故だった。
アフリカに詳しい友達に聞いたら「ナイジェリアはヤバいからやめておけ」と言う人が多かった。なので行くことにした。
ナイジェリアは、アフリカでも人口がめっちゃ多い国で首都はラゴス。飛行機で25時間かけて、ナイジェリアに到着。
飛行機から降りた瞬間、ぼくのパスポートを軍人みたいな人が貸してと言われたので渡した。そしたら急に「パスポート返してほしければ金払え」って言われた。
は?
いや、めちゃくちゃすぎるだろ。
アメ村の外国人ですらもう少し気の利いた金の取り方するぞ。ストレートが過ぎる。
パスポートを返せといくら言っても返してくれない。ぼくのパスポートを拳銃を持った軍人が手元にもったまま。何度言っても金払えって言われたので、
ハンターハンター14巻より
こんな感じでスピード(物理)で取り返した。
そんなこんなで、現金がほしいので両替しようとしたら日本円の換金は無理らしい。
仕方なしに、スキミングが怖いけどごはん屋さんでクレジットカード使おうとしたら「こんなカードみたことない」「お前は中国人だろ。これはチャイナカードだ」(いやVISAだぞ)
両替もできない、クレカも使えない、ATMも動かない。詰んだ。日本から13,500km離れた場所で無一文。完全無欠の一文無し。
その時、乗ってたUberの人が「お前達金がないから貸すよ〜☺️」って言って普通に支払いしてくれた。なんだその当たり前かのような動きは。その翌日も、同じUberの人がぼくのごはん代を払ってくれた。
返すかどうかもわからない、異国のぼくたちに「困ってるなら払うよー」って支払ってくれた。これがアフリカをつい好きになっちゃうところでもある。善悪に執着がない。思いついたことをやる。困っていればあげる。これがアフリカ。本当に面白くて大好きな場所。
他にもなぜか当時ナイジェリアは為替が2つあって(!?)USドルで支払うと倍になって返ってくる魔法のスーパーマーケットがあったり、ホテルの貴重品入れの裏に大きい穴が開いていて、貴重品を外から取り出し放題だったり(まさにバックドア!)面白いことはいろいろあったのがナイジェリア。
最終日
空港に行く途中に派手にタクシーが事故った。これが冒頭の話。
事故りながらも、無傷だったのでどうにか、予定よりも2時間遅れてナイジェリアラゴスのムルタラ・モハンマド国際空港へ。
到着すると空港は長蛇の列。すげーーーー並んでて空港に全然入れない。待てども待てども進まない。いやどうなってんのこれ。
先頭ってどうなってるんだろうって気になって、先頭まで歩いていくと、幽遊白書の岩本先生に似た強面の警備員が入る人を全部止めてる。話しかけても無視して入れない。この警備員のせいで全員が入れない。
えー飛行機に遅れてしまう。。。どうすればいいのか。。。
って思っていたら、見知らぬおっさんが流暢な英語で話しかけてきた。見た目は完全に舐達麻のDELTA9KID。たぶん好きな食べ物はぜんざい。
「へい、ジャパニーズ!お前早いのが好きかい?」
よくわからんことを言うが、どういう意味かと聞いたら「20ドルくれたらわかるよ」って。
意味わからんけど面白そうだったから、おじさんに20ドル渡したら、10ドルはポケットにいれて、10ドルは手のひらへ。
そして警備員のところにいって「ヘイブラザー!ワッツアップ!」って言いながら10ドルを持った手で握手した。警備員は「ヘイ!ブラザー!」って言ってラッパーみたいなハンドジェスチャーしたあとに、ぷいっと横を向いた。「ぼく知りませんよ」みたいな顔をして。
おじさんが「ジャパニーズ、これで中に入れるぜ!」って言って堂々と空港に入れた。
入れなかった空港の扉が開いた。
ぼくの後ろから、他の人も入ろうとしたけど、警備員がそっぽ向くのをやめて「NO,NO」とか言って入るのを防いでる。なにこれゼルダのブレワイかよ。RPGかよ。面白すぎるだろ。
空港入ったことある人ならわかるけど、まずはチェックインしなきゃいけない。自分の乗る予定の航空会社の列に並んでチケットもらわなきゃ。
なんとここも長蛇の列。話を聞くと1時間以上並んでる人もいるらしい。。。。
うーん困った。ドラクエで困った時は周囲の人に話を聞くと良いんだけど、後ろをみると、空港の外にいた舐達磨のDELTA9KIDがまた後ろにいた。
「ジャパニーズ!お前早いのが好きだろ!20ドルくれよ!」
これは通過儀礼なのだ。
大阪のなんばにある相席屋のオリエンタルラウンジに行ったら、何もしなくても男性は1100円かかるし、フジロックに行きたければ26,000円必要。ナイジェリアのラゴスの空港で、チェックインするには20ドル必要なのだ。これが世界。
「この金を払うなら、フジロックで藤井風とXG聞きたいわ」と思いつつも、おじさん(DELTA9KID)に20ドルをまた払う。
そしたら、おじさん(DELTA9KID)は、チェックインカウンターの列を無視して先頭へ。握手をしたかと思ったら、いきなり開かれる新しいカウンター。
そこにはぼくのためにチェックインをしてくれる、空港カウンターの優しい笑顔のお姉さん。
ぼくは横で1時間以上待っている人たちに、申し訳ない気持ちと、この国のルールを学んだ。これがこの国なのだ。
次に来るのはイミグレーション。怪しい人が出入国しないのかチェックしてくれる大事なところ。
最近も、日本の女優がニュージーランドで強制送還にあっていたが、こんな感じでチェックするところがイミグレーションだ。
怖い顔の人が「なんでこの国にきたのか?」とか聞いてきたり指紋とったりするところ。
はい、きました長蛇の列。これはもう尋常じゃない列。絶対に2時間じゃ無理。「あれ?ディズニーランドもうすぐ開演します?」みたいなレベルで無理。
「これは完全に詰んだなーもっと早く来るべきだったー」とか思いながら並ぶとそこには、いつものおっさん(DELTA9KID)が笑顔で待っているではないか。
ここまでくると、一緒にジャンボリミッキー踊るしかない。おっさんが目で合図してくる「20ドルくれ」お金を渡すと、おっさん(DELTA9KID)は全部の列を無視して先頭に行く。握手する。開くイミグレの扉。300人待ちのファストパスをGETして、そのまま飛行機へ。
無事に飛行機に乗って離陸。
いやーすごい経験だった。
飛行機に乗るとあまりにも席が空いてガラガラ。航空会社の人に聞いてみた。「飛行機に乗り遅れてる人が多いけどどうするの?」
彼らは屈託のない最高の笑顔でこう言った
「別に私たちは困らないよ。客が少ない方が運用も楽だからね。」
「これがアフリカだよ」
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アフリカに初めて降り立った時の感覚が味わえる面白い文章じゃった(降り立ったことはない)